ALFA MODEL
中島 四式戦闘機 疾風 作製記 二


発動機作製

モーター取り付け

今回の動力はBf109に使用していたAXI2212/20を受け継ぎます。零戦に積んでいる2212/26を1000馬力と想定したら充分2000馬力の雰囲気はあります。
キット標準指定はもう少し寸法の短いモーターを想定しているらしくこのまま2212/20を装備すると妙にカウルからペラが飛び出すような格好になってしまいます。マウント位置を後方に下げるためキットの防火壁をくり貫いて後ろから新たに取り付け座を接着します。
モーターを取り付ける際は上と右にワッシャーをかましてサイド、ダウンの各スラストを与えてあります。

ハ45ー21 発動機

夢の2000馬力級エンジン、海軍名では名前めでたき誉エンジンです。
ハ25(海軍名 栄)をベースに14気筒から18気筒に! 排気量はハ25の28リットルから36リットルへアップです。当時アメリカのF6Fが積んでいたP&W R2800は同じ2000馬力ながら排気量は45リットルと言うことでかなり大きいエンジン。車で言えばハ45は小排気量で高回転型の2000馬力となりますから同じ2000馬力とは言えカタログ重視で実用にそぐわない点はまさに夢のエンジンだと思えます。
外径はハ25に比べわずか3cm大きいだけなのでかなり詰め込んだ設計。排気量がたった1.3倍の増加で1100馬力から2000馬力に上げるため様々な工夫を凝らし机上の計算どおりにいけば馬力が出る芸術的なエンジンなのです。ココらへんも夢のエンジンっぽい雰囲気があります。
日本人はカタログの何に関しても数値が高い方が好きで浮き足だっているところは今も昔も変わらないってとこですね。

実機では高オクタンの燃料の不供給、整備性の悪さ、工業力の低下により計算どおりの馬力がなかなか出なかったらしいのですが、これら条件が整った場合はやはりすさまじい馬力があったそうです。

RCでは単にダミーなので工作も整備もいきとどいて燃料もバッチリと勝手に設定。気分として2000馬力です。
ハ45は18気筒なので表に見える9気筒分、スチレンでベースを作り0.6mmハンダをグルグル巻きます。瞬間で接着して硬化したら裏面のハンダをカットして取り去ります。

プラ板を円形にカットし9気筒キレイに並べます。
今回のハ45の細工はこれだけにしときます。完成後に重量バランスを見て後重ならバラスト変わりに細工追加の予定です。


エンジンカウル

カウルのハ45ダミーを切りとったら開口部が大きくなり過ぎ、しかもペラペラカウルになってしましました。これでは強度が不安だし見た目もかっこわるいので補強を兼ねてカウルに肉盛りをします。

裏から3mmスチレンをカットして貼り付けていきます。
さらにその上から1mmバルサを瞬間で接着。
表側の段差を紙ヤスリで削り整えて完了。
ハ45、カウルをセットして下画像のようになりましたが、まだ開口部が大きい気がするしエンジンもちょっとしっくりこない・・・ まぁ、とりあえずココまでとしときます。


胴体作製

胴体には機器搭載と強度材を兼ねたベースがすでに接着済み、とくに細工する必要がないのですが後部の強度がやや心配だったのでバルサ3mm角棒を追加接着しました。
サーボを搭載しリンケージ取り付け。そのままだとリンケージロッドが遊び、舵の効きがにぶくなるのでバルサブロックに通して接着、ブレ止めとしてあります。
胴体下部、TOSの話によると主翼接合のプラネジがあたるベニヤ板は破断しやすいそうなのでプラ板を追加し補強しました。

風防作製

接着されているキャノピー部と操縦席部を慎重に外します。操縦席は付属のパイロットを乗せる場合はそのまま使用するのですが、風呂に使っているように見えるのがイヤなので切り取ってしまいます。

今回は以前零戦で使用していた搭乗員を使うことにしました。裏から顔をのぞかせて両脇をテープで止めただけ。キャノピーを被せるとそれらしくは見えるかな! 疾風は零戦のように大きく操縦席が見えないようなので今回は操縦席の再現はパスします。

塗装作業

今回、疾風を作製するにあたり一番楽しみにしていたのが塗装でした。海軍の機体は上面が暗緑色で下面が明灰白色、部隊を表すのはナンバーのみ、個人によって撃墜マークがあったりしますが基本的にどれも同じ塗装。それに対して陸軍は機体色は濃緑色、土色、無塗装のジュラルミンなどで他にも色々な迷彩パターンがあったりします、部隊のマーキングにしても色々とあるので零戦などとは違ったイメージを持たせてやろうと思ってました。
ところがまったく陸軍の機体に対して知識がありません。まずは資料文献を読みあさり頭の中でコロコロとず〜っと考えて無塗装ジュラ地とする事に決めました。上面が濃緑色で本土防空隊の白帯日の丸と悩んだのですが零戦とはまるっきり違うイメージにしたくで終戦間際の切迫した中で納品された無塗装。目立つキラキラ機体でも日本のために頑張っていた・・・とイメージを持った機体にします。

今回の参考文献です。

双葉社 超精密「3D CG」シリーズ 日本軍傑作機
大日本絵画 エアロ・ディティール24 中島 四式戦闘機 疾風
文林堂 世界の傑作機 陸軍4式戦闘機 疾風
コーエー ミリタリーコレクション6 日本陸軍戦闘機
以上です。

疾風、ハ45の生い立ちや活動期、最後それに各部隊の塗装やマーキングなど大変お役にたちました。コックピットの写真も多数あったのでいずれできる事があればまた参考にしたいと思います。

使用する塗料は機体用にタミヤのAS-12シルバーメタル。ペラ用にAS-23ライトグリーン、仕上げ用にTS-13クリヤーです。
無塗装ジュラ地の再現がどこまでできるのか不安・・・シルバーはとりあえず手元にあったものですし最後に使用するクリヤーを拭いて発砲の機体がどこまでテカテカするのかも不安。とにかくやってみなければわからないので・・・

塗装工程

まずマスキング、キャノピーはガラス部分をしっかりと! 胴体はモーター周りと機器搭載の開口部のみ、主翼もサーボの部分だけマスキングです。上下塗りわけがなく全体がシルバーなのでマスキングは楽チン!

全体にスプレーしたシルバーが乾燥したところで操縦席前面の反射防止用に艶消しブラック、味方識別帯の黄色、禁止ラインの赤を塗装します。
塗装が完了しただけでまだあっさりした雰囲気なので墨入れを行いました。タミヤのエナメルブラックを10倍くらいに薄めたものを筆に取りパネルラインにそって塗っていきます。左画像が塗った直後のものです。かなりアニメチックな状態
乾燥させてからエナメル溶剤を含めたティッシュで力を加減しながら拭き取り、右画像がそうです。いい雰囲気にはなったかな? ま、自己満足の世界です。

ペラはライトグリーンを全体に拭いた後、マスキングして黄色ラインをいれました。経験上かならず破損させるから予備も含めて9本作っておきます。
スピンナーはキット付属のものを4ブレードにするため切り欠きを追加、これもライトグリーンで塗装しました。
組上げて4ブレードペラの形になると何となく笑ってしまいます。AXI2212/20で4ブレードっていったいどういう状況になるんだろう?反トルクの餌食に即墜落になるのか・・・飛びっぷりは・・・音は・・・と色々想像してしまう。


日の丸デカール

日本機への魂注入作業となる日の丸デカール貼りです。今回キット付属のものは日の丸しか使用ません。できるだけ余白がのこらないようにカットしてからぬるま湯に5秒ほど浸してから台紙からはがれるようになるまでティッシュの上に一時放置します。

台紙から外れるのを待っている間にデカールを貼る位置に水分を与えておき、デカールが一気に張り付くのを防ぎます。こうしておけば比較的余裕を持って位置決めができます。

デカールが台紙からズレるようになったら位置をしっかり決めた上で少しづつ台紙をズラしていきます。

定位置に貼り付けたところでティッシュで余分な水分をとりさらにモールドになじませるよう上から軽く叩きます。
エルロンのヒンジ部分にあたってしまうところは張り付いてからカッターでカットしました。


部隊マーク及びナンバーは今回はとりあえずのものです。PCでドローソフトで作成しシール用紙にプリンターで出力したものです。

以後、気合が乗ってきたら塗装しようかとも思うのですが無事に飛行できるかも不安なので以後は試験飛行等が終了してから考えます。


中島 四式戦闘機 疾風 工場出荷

お手製スッテカーを貼り付けてなんとか完成にこぎつけました。同じ空冷エンジンの日本機なのですが零戦とは違うフォルムにカラーリング、コレはコレでまたカッコイイもんだな〜! あとは飛べば問題ないのですが・・・

さてとバッテリーを積んで全備重量はいかほどのもんかな?
ポンと秤に乗せてみる・・・アレ・・・?

なぜ? 500gをオーバーして520g指してます。途中気が変わってラダーを装備した分、重量が増えたのはわかるのですがFSK零戦でさえもラダー装備して操縦席に搭乗員もゴテゴテやって500gを切ったのに・・・

新しく慣れていない機体に500g越え・・・果たして試験飛行は大丈夫なんだろうか?


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