Thunder Tiger
三菱 零式二号艦上戦闘機 作製回顧録 参

バッテリーハッチ2009/10/03
作製中はず〜っと何も考えずバッテリーハッチはコレで行こう!っと思っていたのですが・・・。
風防が上にかぶさる事に気がついてしまいました。
まことにうっかり者です。
仕方がないので風防と機首カウルをエポで接着。
窓枠の青色は裏から坊錆色を塗装してあります。
このキットの真空引きパーツはこれまたしっかりと丈夫で厚みがありカットする際、鋏を持つ手が痛くなります。

塗装・エンジンカウル2009/10/03
ここで一旦、塗装作業を行いました。
キットは塗装されてはいましたが明るい緑色でちょっとそのままでは厳しい。
やはり塗装が必要・・・と思い考えをめぐらします。
零戦三二型が配備され始めた頃から日本軍も徐々に迷彩塗装を導入し上面が暗緑色に下面が明灰白色が多くなり、指示されるまでもなく現地で塗装したものがあったり・・・でもこの発泡だとマスキングしてもペリっと剥がれてしまう。
資料を見てみると二一型のように単色で活躍していた機体も存在していたようだし、以前二一型作製のために購入した灰緑色のスプレーもあまっている事だし・・・てわけで配備され始めた頃の灰緑色の零式二号艦上戦闘機にします。
まずは下地の色を消すためにタミヤAS-12シルバーメタルを全面に塗装。
その上からタミヤAS-29灰緑色を塗装。
内装は毎度のタミヤXF-71コックピット色(日本海軍)を使用し日の丸はキット付属のステッカーの白フチをカットし使用しました。
ちなみに今回は風防の取り外しが必要なためアンテナ支柱はありません。
陸上基地配備って事にして帰投方位装置ともどもナシって事で・・・。
FSKパイロットに座っていただく、やっぱりこの人の方が緊張感があるような。
エンジンカウルはよく見ると右側の銃口が大きい!
このキットは零戦五二型でも乙以降だったのか〜。
とにかく、このカウルは大筋で三二型と五二型で共通で違うのはカウルフラップの切りカキくらいのもの。
三二型は集合排気なので適当なものを排気口に!探したところ半田のケースが円柱だったのでカットしてくっつけてみました。ちょっと大きいような気もしますがコレで良しとしました。
エンジンカウルを機首にネジで固定してみました。
右側の機銃口はスチレンを詰め、その上からエポマイクロバルーンでコーティングし左側と同じ開口サイズに、カウルフラップは五二型用の切りカキを無視してまっすぐにカットしてあります。

風防・空撮カメラ2009/10/05
今回もうひとつの目玉!
空撮用カメラであります。はじめて通販でやってきたこのカメラ実物を見たときは正直盗撮用かなっと思いました。
う〜む、実際にこんなのが手元にあったらイタズラ心を起こすのもやむをえないような・・・ただ得るものに対して圧倒的に失う物が多いねぇ。
ココは本来の使い方とは違う用法で働いていただきます。
カメラ本体の前にフックがついていますので機首内にカメラをひっかける部分を付けました。
風防の前部をカットしカメラ搭載時には内部に折りたためるよう改修。
単純に裏でヒンジが頑張っております。
風防の取り付けは前部をカウル内に差し込みます。
後ろはビスの隙間に切りカキ滑り込ませてセット完了!
これで風で飛んでいかないと思うのですが・・・。
カメラを搭載してみるとこんな感じ!
さて、コックピットEYE'sを表現できるでしょうか?

プロペラ2009/10/05
プロペラはFSKと似たような感じで各ブレードは独立しています。
中央のコアに差し込んで使用します。
シャフトにペラを差し込んでナットでロックします。
スピンナーはFSKのようなタマゴの殻、これも丈夫な厚みがあるのでFSKよりはしっかりしています。
スピンナーは差し込んだ後に中央でビス固定です。
ここら辺は接着してしまって二度と手が出せなくなるFSKに比べるとはるかに整備が楽だなぁ〜。

マーキング2009/10/07
今回はマーキングはインクジェットプリンターでA-oneの転写シール透明タイプを使用してみました。
下地が白に近いので透明タイプでも色彩がはっきりします。
下地が濃い場合は白ベースのタイプもあります。
貼った後の強度がやや心配でしたが乾燥させた後にクレオスのトップコート半光沢を吹いたらいつものようにしっかり貼りついたように見えます・・・ここら辺は外で遊んでどうなるかを見ていきます。
零式二号艦上戦闘機 91007號。
三二型は就役当初はこういう名前でした。昭和17年に名称の規定が変更となり最初の桁が機体の改修回数、次の桁が発動機の換装回数を示す事になったようです。
機体回収が3回目で発動機換装が2回目で三二型です。
さかのぼって零式一号艦上戦闘機一型は零戦一一型、零式一号艦上戦闘機二型は零戦二一型となり零戦二二型は規定変更後の就役なので最初から二二型です。

工場出荷2009/10/07
キットの作りやすさもあってサクサクと作る事ができました。
零式艦上戦闘機三二型 完成!
で、この状態でバッテリーを搭載し重心を計ってみると心配した通りのハイパー後ろ重になってました。
仕方がないのでエンジンカウル内に30gもバラストを積んでようやく適正と思えるくらいになりました。本当は構造材やバッテリーであわせれば無駄なバラストを積まずに済んだのですが・・・とりあえず全備重量506g也。
とにかく、形にはなったわけだし今回は空撮にも対応って事もあるしFLTが楽しみでアリマス!
零戦三二型は軍部に有用と認められながらも、就役した頃には長躯出撃のガダルカナル攻防戦が始まってしまい航続距離の短さが仇となり参戦できず。
また、主翼を切り詰めた事で水平方向の機動性が劣るのでイヤだと搭乗員には不評って事で結局たったの343機で生産が打ち切り・・・コレはちょっと出現が早すぎた機体って事になるんでしょうかね。
実際には二速過給機なので二一型に比べたら圧倒的に高空性能は良いはずだし戦局が変わった18年以降の戦闘では機動力は良くても横転率の悪い二一型よりは横転率、速度と高空性能が高い五二型の補充を催促する部隊が多かったと書いてあります。
今回の参考文献

双葉社 超精密「3D CG」シリーズ36 零戦
大日本絵画 エアロ・ディティール7 三菱零式艦上戦闘機
コーエー ミリタリーコレクション2 日本海軍戦闘機 パート1
グリーンアロー出版社 零戦 零式艦上戦闘機

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