FMS改
三菱 零式艦上戦闘機五二型 21214號 作製記 弐

2021/12/10
作製作業からこの記事編集まで時間が経ってますので当時を思い出しながらまとめています。
あまり参考になる事もありませんが私自身への備忘録として残しておきます。
実際には何度か作り直したり、細かい試作を繰り返した事もありましたがそれらはカットし大筋だけにしてあります。
また、色々な作業を同時並行で進めていたので各項目によって時系列が前後している個所があります。

胴体前部改修
  カウルフラップ作製 2021/01/01〜09
機首周りの作業を始めるのでまずエンジンカウルを外します。
左右のネジ1本づつ外せばスポっと抜けるはずが塗料とくっ付いてしまっていてなかなか外れません。
隙間からカッターを差し込みつつ、ゆさゆささせながらようやく外せました。
側面にあったカウルフラップの造形と下面の集合排気管をカットしました。
一旦、エンジンカウルを合わせてカウルフラップの個所にマーキングをしました。
マーキングラインを見ながら頭に浮かんでいる仕掛けが収まるのか・・・あれこれ考えまくっていました。
眺めていても進行しないので手探りで始めていきます。
まずはフラップ開閉機構を納める個所をそぎ落とし。
フラップ開閉基部の図面を書くため型取りゲージを当てます。
仕組み上ガタガタしてますが以前までの目測から切り出して合わせて・・・のトライ&エラーの繰り返しに比べたら一発でほぼ来るので楽ちんです。
カウルフラップのおおよそのサイズを測定しました。
測定した値を元に開閉機構の図面を作りました。
4mm航空ベニヤで開閉基部を作製。
フラップ可動軸はハッチ用ヒンジを利用します。
ハッチヒンジの使用する箇所だけ切り出しピアノ線を通すチューブを接着しました。
開閉基部にヒンジを取り付けました。
各ヒンジに取り付けたチューブにピアノ線を通しました。
ピアノ線のたわみを利用して開閉動作を行うつもりです。

この時点では全くの机上の空論です。
実際に組み付けてどうなるのか?

先程ゲージを使った作業でトライ&エラーの回避なんて言ってましたが・・・これから先は別次元のまるごとトライ&エラーの繰り返しとなっていきました。
とりあえず動作部の作業に入ります。
機首上面を切り取りました。
カットした箇所に航空ベニヤを接着しで駆動部を設置するベースとしました。
まだ何も考えはまとまっていないのでとりあえず仮にホーンを設置し形になるまで練っていきます。

さて机上の空論をどのように動作させようか・・・形にしてみるとやはり不具合は多いようです。

とりあえず開いた状態。
次は閉じた状態

結果、ストロークが足りない・・・リンケージが左右各々が前後にぶれる事もありカウルフラップの開度が左右と上下でバラバラ・・・下なるほど開度が低下してしまう。
・・・全くダメ・・・ここから再び試行錯誤の黙々作業・・・。
画像はありませんがピアノ線の根元にカーブをつけてみたりホーンのサイズを変更してみたり・・・サーボも立てたり寝かしたり・・・数度のレイアウトを試して煮詰まったいた時に90年代のF-1 フェラーリ641/2のフロントサスペンション画像をネットで見てこれ使えるかも!

で、解決画像となります。
ストロークは十分確保しつつピアノ線の前後への振りは少ない。
賢い人ならすぐに思いつくんだろうなぁ。いや、もっと良い手を思いつくのかも知れない・・・。
閉じた状態がデフォルトです。
開いた状態

左右の開度の差は安定しました。
動作部についてはこれ以上は望めないような気がします。

それでもまだ上下での差が気になります。
やはり動作部に近いと動きは大きく、離れると小さくなってしまいます。
さらなる安定動作を求めヒンジの向きを変えてみたり、取り付けてあるチューブの高さや内径を変えてみたり・・・。
試行錯誤は続いております。

  機首モールド修正 2021/01/09
ひとつ作業にとどまり過ぎて全く先に進まないのもアレなので気分転換がてら機首の改修を行っていきます。

大きくズレているスリット上の溝の移動とモールドを修正します。
白いテープを貼ってある箇所が本来のスリット位置です。
新たにスリット用の溝とモールドを掘り、不要なモールドは1mmバルサで埋めました。
タミヤのポリエステルパテを溝に塗り研磨しました。
カウルフラップを仮に取り付けサイズ修正を行いました。
  カウルフラップ動作 試行錯誤の続き 2021/01/10〜27
ずっと左右独立で考えていましたが左右を1本のピアノ線で制御した方が動作の均等なのでは!と思い至りました。。
ピアノ線1本と決めてからは太さやカーブのバランスをあれこれ試し最終的に0.8mmのピアノ線で下が若干きつめのカーブとしました。
これでまんべんなくピアノ線がたわみ上下のバラツキがかなり抑えられるようになりました。
厳密には上と下で若干の差はあるのですが許容範囲と考えます。
・・・ってかここら辺で妥協しないといつまで経っても先に進めない。
開閉基部を機首左右にネジ止めしました。
とりあえず何とか狭い範囲におさめる事ができました。
動作部もストローク等を微調整しております。
下側は滑油冷却口の間を通っています。

カウルフラップを開閉させるだけの事にほぼ一ヶ月かかってしまった。
さして深く考えずにやってみたいと思ったのが間違いか・・・思いのほか大変でした。
まぁ、こういうのがスケール機の楽しみだし良い経験です。
  単排気管追加 2021/01/29
ようやく次に作業に進めます。
カウルフラップを仮止めしました。
位置関係が見えたところで遮熱板としてアルミテープを貼りました。
いつもの排気管。
収縮チューブを熱して排気管を作っていきます。
排気管をエポキシで接着しました。
  ダミーエンジン作製 2021/02/02〜07 
エンジンカウルです。
以前、9年前に購入した時にも思いました。
エンジンらしいディティールがありますがちょっと前に出過ぎじゃない!
複列式の前部なのだろうけど9気筒は多くありませんか?
栄二一型は14気筒だから7のはずですけど・・・。
二二型であればまだ不問にできるのですが五二型ではこのままってわけにはいきません。
どうせ今回は搭載機器も多いしバラスト積むくらいならエンジンに見立てた方がいいね♪
ますは決意に表れ!
ダミーエンジン部を削除しました。
栄エンジンの図解をスケールを合わせてプリント。
図面と資料写真を見ながらバルサでシリンダーっぽい形を作りました。
シリンダーっぽいものに余っていた配線コードを接着。
空冷用のフィンのつもりですが少々太目?いや、かなり太目か!
とりあえず雰囲気が出たらそれでいいか!

これをあと残り、できれば13個・・・最低でも前部の6個作る必要アリ・・・ちょっと面倒くさい。
上記のシリンダーを同じように作り続けるのは非常に面倒で困難・・・
大量生産できないかと考えて・・・型取りしてウレタンキャストで複製を作ってみます。

型取り枠に粘土を敷き詰めシリンダーを置いておきます。
シリコンA液とB液を混ぜ混ぜ・・・。
型枠にシリコンを流し込み硬化を待ちます。
じっくり8時間。
仕上がった型枠にウレタンキャストA液とB液混ぜ混ぜしたものを流し込み。前面だけの再現です。
硬化したら型枠から取り出し。
完全硬化まで2時間なのですが15分程で取り出せるまで硬化が進むので次々と作業を進めました。
意外なほどうまくサクサクとシリンダーが仕上がります。

栄二一型 複列式14気筒分+α作成しました。
前列7気筒はほぼそのまま、後列7気筒分は薄くしてあります。
航空ベニヤで作ったベースに後列7気筒分を接着しました。
この後気筒間にバルサを貼り前列用の底上げとしてあります。
底上げバルサに前列7気筒を接着しました。
中心部に0.5mmカーボンを接着、次いでカムロッドとしてカットした竹串を接着しました。
プラグコード格納環を作っていきます。
空き缶を利用して4φパイプを丸くしていきます。
とりあえず丸めてから接合部をカットしました。
カットしたところに短くカットした3mmピアノ線を差し込み接着。
リングになりました。
プラグコードが出る穴をあけました。丸い面に穿孔する事の難しいこと・・・何度か指に穴をあけそうでした。
プラグコード格納環から各シリンダーへプラグコードを繋ぎました。
バルサでプロペラ調速器っぽいものを作って接着しました。
表面は後にパテを塗りつけ整えました。
機首に仮合わせしてみました。
エンジンカウルを取り付けて干渉の有無や雰囲気を確認。
干渉はありませんでした。
少々、発動機が前方にあるように見えますが元の物よりはだいぶ良かろうと自己満足に耽ります。
  エンジンカウル修正 2021/02/08〜09  
さて、お次はエンジンカウル。それまでは大した作業は無いと思ってましたが気がついてしまうと色々と出てくるもんです。
リベットのつもりかポツポツとある突起、これを削るくらいかと思っていましたが・・・。
これはカウルの左側です、
本来なら画像にあるモールドはネジ穴の下方になければなりません。
これは以前は気がついてなかったなぁ。
まぁ二二型だからと許容していたとは思います。

とりあえず一生懸命モールドを彫ってみる・・・曲線のモールドは大変でキレイにならない・・・。
なんとか頑張ってここまでにはなりました。
元あったモールドはパテを盛って研磨し消去しました。
モールド追加の粗を隠すためリベットを追加で加工しました。
果たして粗を消しているのか増長させているのか微妙な感です。
想定外のリベットやモールドの追加作業した事で注視する事となり7.7粍機銃の射出口のサイズと位置が若干おかしい事に気づいてしまう。

気づいてしまったら仕方がない。五二型だからできそうな事はできるだけやっておきます。
とりあえず気になった個所を違和感がないくらいまでにはできたかなと!

見過ぎると何かしら色々とあり進まなくなってしまうものだと痛感します。。

機器搭載 2021/02/10〜16
機器を機体に搭載していきます。

まずは機銃発光LEDと機銃発射音の各制御基板と5A電源供給装置。
Sense Hobby社製 ESS-AIR
以前、零戦1,100mmに搭載したものの結局は諦めたエンジン音発生装置。
スピーカーではなくトランスレジューサーと言って振動を発生し機体内部で共鳴させて音を発すると教えていただきました。
何やら変わったスピーカーだな〜と逆向きに取り付けた恥ずかしい思い出の一品です。
主脚差動用のサーボディレイ装置。
以前より売っているショップが減ったみたい。

主脚差動より尾輪動作のため必要です。
Futaba R3008SB 8チャンネル受信機とジャイロです。
今回、これだけ搭載の必要アリ!
後先考えず行けるだろうと踏んでココまで来ましたが果たして収まるだろうか?
とりあえずやってる途中ですがカオスです。
暫定ではありますが何となくこの配置で収まりそう・・・。
後で主翼の配線も増えてくるのでもう少し何とかしたい。
諸々の機器配置が落ち着いたところで7.7粍機銃の発光LEDを取り付け。
水回りの隙間埋め用のコーキング材で少し浮かせて固定させてあります。
機銃発射音用のスピーカー。
設置スペースと音の広がりを考えるとここがベストかな!
機銃の発射音ですがエンジンカウル装着の前と後では聞こえる音量が全然違いました。
もう少し何とかしたいって事でカウル下面に穴をあけます。
穴加工をしてカウルを装着したらこんな感じ。
さして悪目立ちせず音も出るのでこれでいいかと!
仮止めだったカウルフラップを接着しました。
尾灯用のクリアレンズの型をあまったウレタンで作りました。
これをヒートプレスします。
尾灯にカバーを取り付けました。

こうやって見るとライトのカバーは新たに作った方が薄くて面一でピッタリ!・・・主翼翼端灯のライトのカバーに厚みを感じたので主翼のカバーも新たに作成したしたものに取り換えました。

操縦席改修 2021/02/18
操縦席です。
スペアでもう1セット欲しかったのですがあいにく品切れ。
もう一つあれば手動方式でもスライドキャノピーを!なんて案も当初頭の中にありましたがこの時点では作業疲れを感じてしまい見送ったように思います。

さて、毎回頭を悩ませる搭乗員の質、腕前ではなく見た目の話です。
ややサイズ感の小さい洋風のパイロット、これで我が家には三人この人がいます。
商品としてキットの時点で機体のできはかなり良いと思いますが搭乗員のできが相変わらずでため息が出ます。
今回はやや機体サイズが大きいので以前複製した1/10スケール量産型搭乗員はサイズ的に合わない。
新たに大きいものを作るしかないか・・・それとも以前ラジコン脚屋で購入した紅顔の美少年搭乗員を載せてみようか!
機体サイズに比べやや大きめかなと思いますが以前1/10スケールのHSD零戦にも案外おさまっていたから可能かも?と思ったり・・・。
とりあえず搭乗員のサイズ感や他に何かしらの参考資料や品物を求めてネットを探索・・・。

ヤフオクでコレを見て一発で心が捕らわれてしまった♪
その名もズバリ!
50〜90サイズ ゼロ戦用 4点セット。
搭乗員はすでに所有していますが計器盤と射爆照準器と7.7mm機銃がこれまた素晴らしいでき♪
搭乗員も合わせて照準器等の製作も毎回苦労するので即決で購入しました。
50〜90サイズってのはエンジンの規格なのでエンジン機を持っていない私にはいまいちサイズ感があっているのかピンと来ていませんでしたが京商のサイトで50クラスSQSワーバードシリーズがすべてスパン1,400mmなので合わないって事もなかろうと強引に納得します。
現物が到着して手に持って眺めて改めてその凄まじいクオリティに感嘆します。
どう頑張っても私には到達できない至高の世界。
得意な方が提供しているのなら有り難く購入するのが正解かと思います。

紅顔の美少年搭乗員。今まで2度自作し同じクオリティを目指してみたものの結果は到底及ばず・・・。
計器盤はスケールサイズ的にこのまま搭載するのは難しいようです。
カットすれば可能かも知れませんがこの一品をカットする事なんてもったいない事はできない。
搭乗員を載せてみました。肩の干渉する部分は機体の方を削りました。
計器盤同様、この一品にカッター刃を入れる事ができません。
操縦席をカットした分剛性が低下したので補うべく0.5mmカーボン板を貼りました。
操縦席はどうしたものか!
完成するとほぼ見えなくなってしまうのでこのままでいいかも!っと思ったり。
計器盤はサイズに合わせて縮小しプリントアウトしたものをスチレンに貼ってすます事にしました。
元と同じく絵って事になります。
結局、操縦席の位置を合わせると必要なのはたったこれだけでとなります。
照準器と7.7mm機銃を取り付け・・・いい感じ♪
計器盤もわずかしか見えていないのでやはり絵で充分だったと思います。
こうして操縦席に収めてみると当初懸念したサイズ上の違和感は気にならないように思います。
ただ、機体に比して操縦席のクオリティだけが妙に突出してしまったかも・・・!
風防ガラス面を取り付けました。
風防中央のアルミテープは転覆時頭部保護の上にあたる個所のディティールがなかった事、もう一つは前から後ろまで何となくツルンとした造形印象だったので多少のボリュームアップのため貼りました。

   BACK   NEXT   CLOSE