FLYING STYRO KIT
零式艦上戦闘機五二型 甲・乙・丙 作製記


五二型丙  参考文献:グリーンアロー出版社 零戦

変更点2008/04/14
五二型丙の見た目上一番大きな特徴っていったらやっぱりコレでしょう。
主翼20mm機銃の外側に追加された13mm機銃、コレついているだけで丙!と言ってもいいかもしれない。
五二型丙は申し訳程度ですが防弾も施されたわけで、風防正面の防弾ガラスは再現のしようがありませんでしたが操縦席後部の55mm厚防弾ガラスは付いていると特徴的でいいかも。
主翼下面には13mm機銃の排莢口と爆弾懸架装置があります。
資料見ていると案外目に入ってくるのでやっておいた方がいいかな。
モールドやバルジの位置が若干違うのですがコレは手間がかかるわりに効果が見えにくいのでなかった事にしよう。

防弾ガラス・操縦席2008/04/15
ホームセンターで売っていた1mmのアクリル板を形状を合わせて5枚切り出して瞬間接着剤で一体化しました。
接着でもしかして曇ってしまうかと思ったのですが比較的クリアーなのでひと安心。
接着が落ち着いたところで防弾ガラスのフレームを1mmスチレンでそれっぽく作製。
4mmスチレンを丸く整形して頭部クッションを作って接着。
クッションの斜め下は本来はワイヤーで引いているのですがはじめ0.8mmピアノ線で再現したところ操縦席にセットしたところでほとんど存在感がなかったので
リンケージチューブのあまりものに変更しました。
やっぱり模型では少々大げさにやった方がいいのかな〜と思ったり・・・。
クッションにフレームとワイヤーを塗装して防弾ガラス完成。
操縦席に両面テープで止めてあります。
操縦席の作業ついでに左側の7.7mm機銃を撤去。

主翼 13mm機銃 2008/04/18
私にとっては五二丙型化においてのメインイベントに感じる13mm機銃の作製です。
資料を見ていた時から気になっていたポツポツと穴の空いた銃身・・・直径2.5mmのプラパイプにピンバイスでポツポツとあけていきます。
穴明け作業でピンバイスがややズレてしまうので約2.5mm間隔ってとこ。
相変わらずの工作精度なのでやや中心線がズレておりますが気にしません。
銃身のプラパイプの中にリンケージチューブを通して接着し、先端をエポマイクロバルーンで三角型に整形しました。
その後タミヤのセミグロスブラックで塗装。
普段は銃身がもげてしまうのを防ぐため根元を収縮チューブで補うのですがあいにく手元になく、主翼に差し込んでそのまま接着しました。
足があるからきっと平気さ・・・。

主翼 爆弾懸架装置 2008/04/20
どうでもいいように思えても資料でどうしても気になる存在感。
爆装させるつもりはなく、ディティールも細かくて再現しきれないのでココはソレっぽいものでいいって事に!
私にはよくある有るか無いかだけが気になります。
13mm機銃の排莢口のモールドを追加。

塗装・マーキング 2008/04/20
私の歴代FSK零戦は灰緑色二一型を除いて全て中島飛行機で製造された塗りわけライン塗装で再現していました。
今回は趣きを変えて胴体の底面意外を緑で塗りラインのない三菱で製造された塗装でやってみました。
画像の上が中島飛行機仕様で下が三菱仕様です。
中島仕様より重々しい雰囲気があり五二型丙のおかれた状況と何となくマッチするようで気に入ってます。
もうちょっと趣きを!って事でスピンナーを白地で先端が赤く塗装されたものに変更。
これは味方識別帯の一種のようで正面から見ると日の丸・・・なのだそうです。
残念ながらスピンナーがやや小さいのか正面から見ると日の丸ではなく赤いスピンナーにしか見えません。
はじめ日の丸になるよう小さく塗ったのですがまるでピエロの鼻みたいになってしまったので違和感なくなるまで赤の範囲を大きくした結果です。
それにしても当時の逼迫した状況でずいぶんと悠長な事を思いついて実行してたんだな〜と思う。
実際に空にあがった状態で飛行機を視認し正面から見て「日の丸だから味方だ!」と思るほど効果があったんでしょうか?
塗装がチグハグで違和感のあった20mm機銃のフェアリングを塗装し13mm機銃ともども再度ウェザリング。
13mm機銃の排莢口に爆弾懸架装置も塗装。
五二型丙の機銃同調ラインは見ている資料だとちょっと位置が違うのでずらしました。
五二型丙の相手は戦闘機ってよりも爆撃機ってイメージがあります。
本土に来襲した敵機を討つ!って事で海軍横須賀航空隊所属ヨ-157番機に。
毎度の事157って数字には特に意味なく誰が搭乗していたか?実際に存在していたのか?は私はわかりません。
型式をあらわすステンシルは資料からスキャナー取りして製造番号だけ差し替えてフォトシールでプリントアウトしました。
製造番号は8203號を改め8421號です。

零式艦上戦闘機五二型丙 8421號 工場出荷 2008/04/20

これにて零式艦上戦闘機五二型丙の作製終了!
この改修で558gから568gへと10g増加! ま、最初からわかっていた事ですし案外少なくすんだとも思います。
現状、飛ばす腕も場所もままならないのにこんな事をしていても?と思いますがとにかくこの機体にも特徴がついたようで満足しております。
今回の作製を進めていくのは「破綻していく零戦」の再現だとつくづく感じました。
五二型乙では機首右側だけの13mm機銃への換装。7.7mm、13mm、20mmと一つの機体に三種類の機銃といった不合理さ。
五二型丙では爆弾懸架装置にそう感じます。
零戦の後継機である烈風や局戦である紫電・雷電の開発の遅延により零戦で全てをまかわらなければならない状況に陥ってしまい発動機の出力アップが望めない中で武装強化や防弾装備を施し重量が増た零戦は本来の軽快な機動力を失いまったく別の機体へとなってしまったわけですが、当時の状況でできる事を行っていくしかなく、本土に来襲する敵機のうち相手にするのは戦闘機ではなく爆撃機であり一度に大量の弾丸を叩き込める五二型丙は戦況に合っていたと思えます。

実機の零戦五二型乙から五二型丙への主な変更点は
主翼に関しては20mm機銃の外側に13mm機銃を装備、下面に30Kgから60Kg爆弾懸架装置の追加、外板の厚さを0.2mmから0.4mm増した。
機首の7.7mm機銃の撤去。
操縦席後方に55mm厚防弾ガラスと8mm厚防弾鋼板の追加。

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