MAS工房
三菱 局地戦闘機 雷電二一型 191147號 作製備忘録 参

FRP製エンジンカウル・風防窓枠 2019/09/01〜07
真空成型をあきらめたエンジンカウルの作製です。

まずはFRP入門セットを準備。
本来、雷電作製において使用する予定はなく、いずれ何かの時にと思い購入してあったFRP。
エンジンカウルが思惑通りには作製できなかったため前倒しをして使用してみる事にしました。
まずはこのまま型にFRP樹脂を塗布すると型に張り付いて取れなくなりそうなので梱包テープでカバーリングしました。
ガラス繊維を編み込んで構成されたクロスです。
実際触るまでは強靭で伸び縮みがまったくしないものだと思っていましたが意外にハサミでカットできるし多少の柔軟性があります。
ポリエステル樹脂。

これがクロスを固める樹脂の主剤だそうです。
硬化剤。

ポリエステル樹脂と混合させると化学反応で硬化するようです。
アセトン。

使用した刷毛等の清掃に使用します。
計量カップにとったポリエステル樹脂・・・とりあえずどれだけ使用するかわからないので200gです。
こちらは硬化剤、ポリエステル樹脂100に対して1〜4%加えます。
基本1%で気温が低い場合は多めに加えるそうです。
少ないと硬化しないためそれなら多めにとなりますがあまりに多いと硬化が早すぎたり化学反応の煙がでるそうです。
とりあえず今回は3g入れます。
2液を混合し攪拌しました。
型にポリエステル樹脂を刷毛塗りし、クロスを置いてまた上から樹脂を塗りこんでいきました。
クロスを重ねながら1周・・・2周・・・。
中に空気が残らないよう注意が必要です。
約1時間程で硬化が始まり5時間経った頃に見てみると完全硬化してました。

硬化したは良いもののやはりと言うか全然型から外れてくれず・・・
ルーターにカットソーをつけて分割させ取り外しました。
カウル上下をテープで固定し裏からガラスクロスをあて樹脂を刷毛塗り。
外面もさらに一周クロスを張り樹脂刷毛塗りを行いました。
また放置し翌日硬化した状態を確認。
ベルトサンダーで表面を研磨しカウルフラップ部分をカットしました。
仮合わせで機首に取り付けてみたところ・・・初めての割にはまぁ良い感じかな!
初めてのFRP・・・なにぶん素人作業なもので美しさに欠ける造形箇所をパテで修正します。
99工房のFRP用厚付けパテを使用してみます。
主剤と硬化剤を同じ長さに出します。
2液を混ぜ合わせてカウルの気になる個所に塗りたくりました。
硬化後にサンディングし形を整えました。
滑油冷却口を真空成型し忘れていたのでFRP製にしました。
エンジンカウルに「ネジ止めするためバルサ材を接着。
FRP加工に味をしめつつあります。
風防の窓枠はアルミテープを貼って再現するつもりでしたがエンジンカウル接合の際に樹脂があまるだろうしモノは試しと窓枠もFRPでやってみる事にしました。
フライングスタイロキットのようになれば良いな〜。

ガラス繊維を巻いて樹脂を塗布しました。
硬化後に取り外しました。
エンジンカウルと違って分割せずに外せました。
三面図を変倍かけながら出力し現物合わせでカットラインを描きました。
カットラインを描き終わりました。
ガラス面を切り抜きした後にベルトサンダーにかけ表面を慣らしました。
胴体に合わせて雰囲気確認!なかなか良い感じ。

さて・・・
上記作業を行うにあたり長袖着用!防塵眼鏡およびマスク着用!手袋着用!絶対必須!
ガラス繊維でひどい目にあいます。
一度道楽して長袖未着用で作業してしまい、微細なガラス繊維が腕に刺さり3〜4日間ほど腕が絶えずチクチク痛く痒い・・・できるだけ触れないようと思いながらも無意識に掻いてしまい炎上!となっていました。
あと硬化中の臭いもひどいので換気をしっかりと。
研磨する際はガラス繊維が飛び散るので粉塵対策もしっかりと

カウルフラップ作製 2019/09/04〜07
カウルフラップの作製に入ります。
まずはハッチ用ヒンジ・・・これが利用できないかと思いました。
とりあえずネジを外し基部とヒンジにバラしてから色々と考えてみる。
何となく形が思いつきました。
一部をカットし逆向き動くようにヒンジを戻しました。
曲げたアクリル板に図面を貼り付けてカットラインを描きました。
カットしたアクリル板を先ほどのハッチヒンジは両面テープで固定。
仮に取り付けエンジンカウルに合わせて微調整しながらカットしました。
一旦、取り外し表面にアルミテープを貼りました。
機首部胴枠に両面テープで固定しました。
閉じた状態。
開いた状態。
重量超過に陥っている状況ですが手を出してしまいました。

主脚カバー 2019/09/14〜17

主脚のカバーです。
まずは図面よりカバーの部分を切り出し型紙とします。
FMS零戦1,100mmの主脚カバーからタイヤカバーの個所を切り取りました。
型紙を元にして1mmベニヤから主脚カバー切り出し。
少し湾曲させるため水に浸けた後、円筒形に巻き付けてクセをつけています。
FMS零戦1,100mmの主脚カバーを主脚支柱に取り付けました。
ベニヤで作ったカバーをFMS零戦1,100mmの主脚カバーの上に接着しました。
主脚カバー内側です。
型紙を起こして1mmベニヤから切り出しました。
開閉用にヒンジを取り付けてあります。
左右の内側カバーを連結させました。
内側カバーを主翼下面にネジ止めしました。。
開閉はFMSの方法で行ってみたいと思います。
見よう見まねの現物合わせで試しながらこの形に行き着きました。
開閉テストでは若干閉じ切らないが我慢できるギリギリな感じ。
無理にタイトな状態でロックしてしまうより多少余裕があって良いかな?っと思っていました後々の事を思えばもっと考えておけば良かったと反省する個所です。

操縦席パーツ作製 2019/09/06〜14
まずどの範囲が操縦席か見当がつかないので図面を眺めながら風防を合わせラインを引きました。
描いたラインに合わせて操縦席に取り付ける小物を配置して切り落とす個所をさらに書き込みました。
その前に操縦席後部の作業から進めていきます。
まずは転覆時保護支柱補強材から!
転覆時保護支柱補強材の両面に4mmバルサを貼りつけ特徴的な穴を開けました。
雷電の操縦席ではかなり特徴的な造形だと思います。
搭乗員の頭部を敵弾から守る防弾鋼板を追加しました。
これは操縦室内換気用冷却ダクトです。
4mmバルサをそれっぽい形状にしただけです。
操縦室内換気用冷却ダクトを防弾鋼板の左右に接着。
これくらいだったらさして重量に影響しないだろう・・・の積み重ね。
1mmバルサろヒノキ棒を切り出しました。
箱状に組み上げました。
資料を見ながらそれっぽく板や丸を追加。
三式空1号無線機。
さらさらっとそれっぽい色を塗りました。
今まで黒で塗っていましたが最近ネットで見た色は深い緑でした。
いったいどれが正解なのか?
恐竜の色と同じで知りようがないのかな。
バルサと針金を駆使して九八式射爆照準器を作製。
計器盤・照準器・無線機と必要最小限の小物は搭載します。
計器盤はシールを貼って済ませます。
色々と凝ってみようかと思いましたが多少は重量が気になるし1年近く作製を続けてきて疲れたのもあります。
計器盤と照準器を取り付け。
操縦席周りの塗装もしておきました。
雷電の操縦席には防弾ガラスが装備されておりコレも特徴的です。
この際のっけちゃいましょう。
まずは1mmアクリルを4枚接着。
アレコレ考えながら作業やっている内に写真撮り忘れてこうなりました。
操縦席に取り付け。
完全に色々と忘れて自己満足の作製に没頭しています。
次はアンテナ支柱。
2mmバルサで1mmカーボンをサンドイッチ。
適当にサンディングしアンテナ支柱完成。
毎度、入手および作製に苦労する搭乗員。
良いのがあって購入が一番楽なのですがあいにく世間にはなく作製するしかありません。
機械的なものは作製が楽しいのですが有機的なものはどうにも苦手です。
これから先に必要かはわかりませんが楽にたくさん作っておきたい。

そんなわけで搭乗員量産化の記事を別に作成します。
(現在、執筆中)

 アルミテープ貼り 2019/09/18〜10/21
他人様の作例でまず見る事のないアルミテープ貼り。

普通ココまで来たら次はフィルム貼りあるいは絹張ドープとなるのでしょうが生憎フイルムを扱った事がなく絹張ドープなんて尚更わからず。
上手い人ならフィルム貼りでも良い表現ができるのかも知れませんが私には無理。
重量的にドライに考えればフィルム貼りが正解とは思いつつ私が表現したい雰囲気はアルミテープでなければ再現できません。
アルミテープも色々あり重量や光沢や質感・・・塗装するのでこの際、光沢は置いておいて厚い方が曲面に馴染みがよく、パネルラインやリベットを施した見栄えは最高!ただし重い。
薄いのはシワが入りやすく平滑な箇所でないと接着力が弱くなってしまいます。モールド表現もあっさり控え目、最大のメリットは軽量!

とりあえず胴体は機首から操縦席まで0.05mmで後方は重心を思い0.03mm、尾翼は0.02mmを使用しました。
胴体前方は0.05mm主体なのでパネルラインもリベットも思い通りに入ります。
ちなみにパネルラインは竹櫛で入れリベットは裁縫道具のルレットでコロコロっとしています。
これがルレットです。
オプションでいくつか歯のピッチが違うものが付属しています。
胴体後方は0.03mm主体でモールドは希望より若干甘め。
たった0.02mmの厚みが違うだけですが大きく変わり、ライン書きも竹櫛ではうまくいかずシャープペンシルの芯を出さずに描いています。
尾翼は0.02mm。下の生地に影響を与えるためパネルラインはあっさり目となりリベットも深く入れられずあっさり目となり・・・この雷電各部をよく見ると部位に寄って雰囲気に違いがであります。
主翼にある機銃のフェアリング。
熱したアクリル板を型に押し付けて形を作りアルミテープ貼り。
主翼作業中の画像を取り忘れていたようです。
とりあえず機銃フェアリングを接着しました。

基本的に上面にくる個所は0.05mmのアルミテープです。
主翼は強度も必要との思いから下面も0.05mmを貼りました。
機銃はFMS零戦1,100mm用をカットし流用します。
雷電は主翼内側長銃身がの九九式20粍二号機銃四型、外側が短銃身が九九式20粍一号機銃四型です。
今は仮合わせなのでちょっと長めになっております。
主翼下面にあるバルジを取り付けます。
図面に合わせて取り付ける個所をマーキング。
バルサでそれっぽいものを作り接着しました。
主翼下面の手前が0.05mm、フラップ下面が0.02mmのアルミテープです。素材で雰囲気の違いがわかると思います。
パネルラインとリベットの再現、図面をカットし合わせながらライン書き。
0.05mmは竹櫛が効くのでそのままラインをなぞっていきます。
主翼上面は特に目立つためしっかり丁寧にパネル書き。
エンジンカウルにも0.05mmアルミテープを貼りつけました。
先端に行くほどRがきつく細かく貼ってみましたが本来のライン以外は悪目立ちしています。

エンジンカウルはFRPで下地が固いため竹櫛にルレットは通用せず!
ラインはカッターでその分を切り取り、リベットはリューターで一個一個入れました。リューターでのリベットは最初は面倒くさいと思いましたがやっている内に気分がノリさくさくいけました。
記事としてまとめるとアッサリしていますが実際は0.05mm・・・0.03mm・・・0.02mm・・・適材適所を求め貼っては剥がし貼っては剥がし・・・を繰り返していました。
見た目か重量化・・・もちろん重量が優先と思いつつディティール志向に引っ張られる・・・なかなかドライにはなり切れませんでしたね。

傍から見ればどうでもよい作業で一か月もかかってしまいました。
ここまできて排気管も作ってしまいます。
FMS零戦1,100mmの追加した排気管と同じように6φのアルミパイプから作ります。
適度にカットしたものをバイスで加減みながら潰しました。
エンジンカウルを取り付け位置を確認しながら接着しました。

主翼・胴体合わせ 銀翼 2019/10/25
搭乗員を載せました。
作製当初は操縦席も色々と作り込んでいこうかと思っていましたが1年近く経った事やら重量がシャレにならんやらで妥協路線に入ってしまいました。
風防をネジ止め。
作業工程の都合で風防は先に塗装しました。
外見はこれで完成!
この状態でまだ機器の配置が流動的で決まっていません。
一度、銀翼状態で眺めてみたかっただけです。。
眺めて見て・・・とりあえず形は雷電になりました。
形は・・・。
主脚を出しての佇まいを見ると我ながらカッコいいと思う。
ラインとリベットはまずまずかな・・・エンジンカウル先端の処理はもう少し何とかしたかった。
銀翼完成審査
検査官の厳しい目が刺さります。

機器搭載・調整 2019/10/25
バッテリーを規定位置に搭載し重心の確認をしたところ恐ろしいくらい後ろにズレています。
何とかできるだけの事はしないと!
胴体内に収める予定だったジャイロをエンジンカウル内の機首上面に移動。
ESCは機首下面でできるだけ前方に移動。
コードやコネクター類、胴体内でまとめていたものを機首へ移動。
受信機は操縦席前から機首隔壁に移動。
アンテナ配線の都合でこれより前には付けられません。
とりあえず前方に取り付けられるものは全て動かしました。
それでも最低限の33%MACにも入ってこない。
こうなる事は6月くらいから薄々感じ始めた事・・・今さら引き返せないので行きます。

塗装作業 2019/10/28
重心の事は一旦忘れて塗装します。
気を紛らわします。

とりあえず取り出したミッチャクロン!
塗装の食いつきを向上させます。
ここでの作業はアルミテープ貼り前の試験です。
これで結果良好となれば心置きなくアルミテープで行けると思っていました。

アルミテープのマスキングを境に右側に吹き付けました。
塗料を吹き乾燥したところでマスキングテープを貼りつけました。
マスキングテープを思いっきり剥がしました。
右側に若干剥がれが出ましたが左側に比べたら大幅に食いつきは良い感じ。
実際の作業では思いっきりマスキングを剥がす事はしないので大丈夫でしょう。
そんなわけで機体にミッチャクロンを吹き付けて乾燥。
あとは定番、下面にタミヤ AS-2明灰白色、上面はAS-21暗緑色2の基本塗装。
味方識別の黄帯と警告の赤ラインです。
日の丸もいつもの転写シール。
いつやってもこの作業は気が引き締まします。
日の丸と共に魂も入った気がします。
これにて塗装完了!

重心調整 2019/11/02
塗装が終わり現実に戻って重心合わせです。
再度、重心確認のマーキングを入れました。
前方が25%MAC、後方が33%MACとなります。
機体構造や機器配置での万策は尽き、バラストに頼る事になります。
まずは60g・・・でようやく33%MACに入るくらい。
もう少し欲しいと60g追加で計120g・・・感覚的に30%MACくらい・・・。
何とかもう少し前にならないかと思えど機体側ではこれ以上先はないのでエンジンカウル内に取り付け。
これも強制冷却フィンがあるのでむやみに前方に設置できず。

とにかく最大限の前方がココでした。
これで何とか28%MACとなりました。

工場出荷 2019/11/05
雷電二一型 191147號完成!
祝いの舞を披露していただく。

正直喜んでばかりもいられないのですがそれはこちらの問題です。
ありがたく頂戴致しました。
全幅:1,100mm 全長:970mm
機体重量:2,080g 全備重量:2,380g
翼面積:22.30du 翼面荷重:106.7g/du

機体スペックを見ると目が眩みそう。
まぁ、ここまでやってみて初めてわかった!って事です。
苦労して装備したファウラーフラップですが試す工程まで行けるだろうか?
それ以前にこの翼面荷重で果たして浮くのか?
航空力学的に機体形状は成立しているのか?
色々とテンコ盛りで何とか形にしたは良いのですがあとは実際に飛ばしてみないと・・・全く想像がつきません。
ラジコン飛行機は飛ばないと本来の価値がありません。

とにかく今は先の事は置いといて完成を喜びたいと思います。

試験飛行 2019/11/24 
結果は燃料切れによる墜落大破、廃棄となりました。
詳細は当該機のページに動画があります。

試験飛行をして理解できた事は

飛行姿勢は安定
高速を維持しなければ高度が落ちる。
姿勢変化で高度が落ちる。
横転性能が悪くロールができない。
重量、剛性過剰
でした。

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